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赤い冬

おめでたい場所を囲む紅白幕のいわれは、赤が誕生(ハレ)、白が日常(ケ)を
意味している。赤は血の色であり、お産に際しての出血から来ている。
逆に、お葬式の鯨幕は、黒が死去(ハレ)、白が日常(ケ)を意味してるのだが、
最近では黒白に代わって水色と白の幕を用いることが多くなった。その理由は
見た目の明るさ、だと云うが、本来的意味合いは失われてしまった。

赤に関して、わが恥を白状しよう。
ワシはかなりの年令になるまで「白系ロシア」の意味をカン違いしていた。
蒙古系黄色ロシア人に対して、スラブ民族系の白人をそう呼ぶのだと、本気で
思い込んでいたのである。かあ~っ、みとっもね~。
ご承知の通り、ロシア革命に反対した人々を、赤化(社会主義化)しなかった
ロシア人、という意味で「白」と呼んだわけだ。年間のほとんどを真っ白な雪に
覆われる彼らにしてみれば、白は忌むべき色であり、赤は温かい炎や太陽を
イメージする幸福の色だったのである。社会主義は「冬そのもの」だったが。

赤に関して、良い思い出もある。
甘くほろ酸っぱい青春の、小さな恋の物語。
あれは中学のスキー教室。体育授業の一環で冬休みに一泊二日、ゲレンデへ
出掛けた。単細胞なワシのテンションは、往きのバスの中で、はや臨界点に。
「うおぉぉほぉーッ、どぉけどけどけえぇぇぇいッ!」
満足にボーゲンも出来ない状態で、先生の制止も聞かず銀世界を直滑降する
馬鹿少年ひとり。滑り始めてから止まり方を知らないことに気が付くのは、今も
同じだ。自業自得。途中でコケて助かったが、案の定、足を捻挫。
ロッジの部屋で天井を見つめながら反省していると、誰かが扉をノックする。
「えと、電脳くん、おなかすいてると思って、あたし、作ったから・・・」
同級生のA子がお盆を手にやって来た。
「チキンライス、嫌いじゃないよね、あの、食べてみて・・・」
A子の存在はそれまでまったく気にしていなかったが、冬の魔法か、突如として
眩いばかりの美少女に見えてきた。心拍数急上昇。恋愛大明神の御降臨。
遠慮なくいただく。もちろんチキンライスを、だ。きょうびのスレっからしたガキ共
みたいに「Hで始まる恋もある」なんて、ぜってぇありえねー時代だった。
味は、いや味わってはいけない。女の子の手料理はひたすらガツガツ喰うのが
男の義務である。食事は本能の猛りであり、味覚は官能なのだ。

窓の外は一面の銀世界。
ロッジの部屋には、ストーブより温かい恋の炎。雪の白。チキンライスの赤。
でも、ただそれだけ。手も握らなかった。そんな、赤い冬の思い出。

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