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ゴルゴ対談

今月号の『文藝春秋』誌に掲載されている漫画界の大御所さいとう・たかをと
麻生太郎の対談は、かなり面白い。ぜひ一読をお勧めする。
ワシが抱くさいとう作品の印象といえば、独特の角張った描線と、登場人物が
無言の際に示す白目。また、擬音語(つまり作者の音感)がとてもユニークで、
たとえば、ドアを閉める音を「バタム!」と「m」で本格英語っぽく表現したのは
さいとう作品が嚆矢ではないかと思う。
ただ、ドアを開けた時の音が「ラッ」なのは、ちょっとどうかと思うが。

外交問題は『ゴルゴ13』で学んだと公言する麻生が、
「日本って、自分が暑いなあと思ってても、我慢してりゃ秋が来る。寒いなあと
思ってても三カ月待ちゃ春が来る。じーっとしてると世の中の方が変わる世界
です。それが中近東なんか、じーっとしていたらずっと暑いだけですから(笑)。
自分で動いて局面を打開しなければならないんですよ」
と言えば、それに答えてさいとうは、
「日本人は、他人は自分と違う脳みそで考えているんだっていうことを、ピンと
来ていない人が多いですね」
そうそう☆さすが世界をまたに架ける暗殺者の生みの親。わかってるなー。

さいとうは言う。
「この国の危機感のなさを痛感したのは、例えば、東西の壁がなくなったときに
“これで『ゴルゴ13』のネタがなくなりましたねえ” みたいなことをおっしゃる人が
いたんです。一丁前の知識人ですよ。何を言ってんだ?と驚きました。今までは
東と西に分けられていたからそれなりにルールがあったが、それがなくなるわけ
でしょう。だから、これから民族、宗教、エネルギー、これらの問題がぜんぶ噴き
上がってくるぞということを、その知識人には言ったんです」
僣越ながら似たような経験がワシにもある。冷戦崩壊後、核拡散と宗教問題が
シンクロするであろう事態の一典型として “印パ緊張” の重大性を語った際、
「そんなパキなんとか(スタン?)なんて関係ないでしょ」
と鼻で笑ったインテリがいた。その後の世界がどうなったかは御存知の通り。

ジィ~ンとしみる話もあった。
さいとうは中学時代、反骨心から試験の答案を白紙提出した。そのとき担任は
このように説いたという。
「これを白紙で出すのは、君の意志で出すんだから、それはしかたないだろう。
しかし、これは君の責任の下に出すんだから、名前を書け」

その担任教師の名が、東郷といった。『ゴルゴ13』、デューク東郷の由来である。

(文中敬称略)

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