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となりの晩ご飯

ゆうべ漫然とテレビを眺めてたら『突撃!となりの晩ご飯:インド編』のようなのを
やっていた。ヨネスケとギャル曽根が、デリーの一般家庭に突撃取材し、夕食の
ご相伴に与るという、あの国の治安情況を考えれば、 “ンなわきゃねーだろ” 的
ヤラセ番組だった。実際、友人のテレビマンから聞いた話によると、
「取材目的でビザを申請した時、インド大使館の担当者から嫌がらせに近いほど
事細かに、それは撮って良い・あれは駄目、と制限を付けられたよ」
友人は純然たる報道番組を作るため査証を申請したのだが、むしろ娯楽番組を
撮る場合の方がすんなり許可が下りる、とも言っていた。
なるほど、日本のメディアで紹介される「インドの肖像」が、どれも画一的で似たり
寄ったりなのは、あちらの政府の情報戦略というわけである。
「インド人は本当にカレーしか食べないのか?」
という昨夜の番組のテーマ自体、日本人は本当に毎日みそ汁を飲むのか?とか
和食には本当に必ず醤油が入っているのか?みたいなものだ。

そしたらなんと、コーナーの最後に、ワシが知ってるインドの金持ちの家庭が映し
出されたではないか。ありゃま☆たまげた。
彼らの一族は北西インド出身で、クシャトリア(武士)階級の中でも最高位に属し、
ザミーンダール(荘園豪族)として、その苗字を聞けばたいがいのインド人は恐れ
畏まるほどの身分である。
カタコトの日本語ならば話せるはずの彼は、番組の演出なのか、言葉が通じない
ふりをしていた。実はその人物、外国人観光客を相手に、高級紅茶店を経営して
いるのである。彼の甥っ子に日本語を教えたのは、他でもないこのワシだ。
「和尚サーン!オカエリナサーイ、ココハ、アナタノウチネ♪」
店に入ると歯の浮くような世辞を言ったものだ。
ところがここ数年、日本経済が低迷を続け、日本人観光客が高額な買物をしなく
なって来ると、ワシに対する態度まで冷やかになっていった。
「コレカラハ中国ネ。中国人、イイオ客サンネ」

もうひとつ、彼の信仰に基づく理由で、ワシを遠ざけるようになった。
それは仏教とヒンドゥー教の問題である。
五十年前、インド初代法務大臣アンベードカル博士の手で復活し、現在、佐々井
秀嶺師を指導者として日々躍進を続ける、根本の釈迦仏教・・・。
ヒンドゥー教に身分を保障された荘園豪族にしてみれば、カースト制度を否定する
仏教の復活は呪わしい出来事であり、それに加担するワシは、神の敵、なのだ。

脳天気な娯楽番組に敢えて無粋な文句をつけるが、最後に映した金持ち家庭の
晩餐、その一人前で、仏教徒(元不可触民)家庭であれば家族全員が半月以上
食べていけるのである。

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