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BC級戦犯の遺書

死期もいよいよ迫ってまいりました。
今までの戦犯死刑囚の前例を考えますと、ここ二、三日の
うちに自分もこの世を去るのではないかと思われます。
人生三十五年、ふりかえってみると本当に夢のようです。
ユキエの夢もよく見る。ユキエは待っているのであろう。
かたく誓い合ったふたりではあったが、ままにならぬ人生、
ふたりの生活もほんの一瞬であった。しかし、西方浄土へ
行ったならば、永遠の生活もできるであろう。
ああ、ユキエよ。しばらく待っていてくれ。
俺もお前のもとにすぐ行く。
そして、現世で短かったふたりの生活、極楽浄土で楽しく
暮らしましょう。
そうだ、思い出せばユキエと別れたのは昭和十八年一月
七日の朝であった。
寒い岩崎の岸壁が最後の別れであった。
今しばらくしたら、あの優しいユキエの笑顔を見ることも
できるだろう。
獄中においては便りも思うように書けない。
この便りは最後になると思います。
                                 久保江保治
                     (昭和二十三年三月十五日。死刑)

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