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『未来を写した子供たち』

『未来を写した子供たち』

映画『未来を写した子供たち』を観に行った。
インド東部の都市コルカタ (旧カルカッタ)の売春窟で暮らす
子供たちを活写したドキュメンタリー作品だ。
“ブッダの国”の裏社会に生きる少年の姿を描いた名作には
ミーラー・ナーイル監督の『Salaam!BOMBAY』 (必見☆)が
あるが、この『未来を~』は赤線地帯の子供らにインスタント
カメラを持たせ、彼らの目と感性に任せて、みずからの生活
風景を撮らせることで、劣悪な環境に生きる子供たちに表現
する
喜び(=未来)を伝えようと試みている。
監督は、Z・ブリスキとR・カウフマンの両氏。ブリスキ女史は
みずから売春窟へ飛び込み、子供たちと膝を交えて写真の
撮り方を指導し、また同時に彼らの進学問題にも取り組む。

インドを知る者なら思わず苦笑してしまう場面があった。
入学に必要な提出書類を巡っての、すったもんだ。
「来週また来てくれ」
それを毎週聞かされて堪忍袋の尾が切れたブリスキ女史は、
とうとう激昂して、責任者に詰め寄る。すると、
「まぁ、一ヶ月後・・・ですね」
世界に冠たる“IT大国”の、これが真の姿である。

本編中でも少し触れられていたが、ヒンドゥー教には先祖代々
売春をなりわいとするカーストがあり、その階級位置は決して
低くない。だからといって、「神の御名」において人間の一生が
決め付けられていいはずがない。

かの国の『宿痾』とも呼ぶべきこの悪魔の制度に、真っ向から
戦いを挑んでいるのが、日本人僧:佐々井秀嶺師である。

映画終盤、子供たちはそれぞれの日常へ帰っていく。
やはり彼らのほとんどが、売春窟での生活に戻ってしまった。
エンド・ロールの後、再び子供たちと歩き出すブリスキ女史の
後ろ姿が、まるで菩薩のように見えた。

余談。 映画館の受付で、関連書籍として山際素男氏の名著
『不可触民と現代インド』(光文社新書)が販売されていた。
こちらも必読☆

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