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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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小さき神の子ら

笑顔
南アジアの夜明けはけたたましい。
5時頃、イスラム教モスクから朝の「アザーン」が響いて来るのを皮切りに、下町一体がいっせいに動き出す。おかげで目覚まし時計は必要ない。仏教寺院に居候しているワシは、毎朝6時からの勤行に、イスラム教徒の祈りに叩き起こされて、出仕する。
ナグプールの町を袈裟を着けて歩いていると、よく佐々井師と間違われる。インド民衆にしてみれば、黄色人種で不可触民居住区にいるのは佐々井秀嶺、ということなのだろう。
「お坊さん、ササイ・バンテ・ジー?」
子供らから質問されて、違うよ、と答えた時の、ちびっこたちのがっかりとした顔を見ると、なんだか申し訳ない気持ちになる。
「ジャイ・ビーム!」
子供が仏教徒式の挨拶をしたので名前を聞くと、
「ムスタファ」
イスラム教徒であった。

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