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成道会

成道会

今日十二月八日は、お釈迦さまが悟りを開いたとされる日。
各地で『成道会(じょうどうえ)』が執り行われる。
上の写真は、インド仏教徒が仏前にお供えした「乳粥」。
お米を牛乳と砂糖で煮込んだ軽食で、お釈迦さまが断食を
終えて最初に食べた物といわれ、これで体力を取り戻して
悟りを開いた、と伝えられる。
実際には太陰暦だから一ヶ月ほどあとなのだが、とはいえ
クリスマスより知られてない現実のほうが問題であろう。
知られてない、という点では今日が大東亜戦争の始まった
日であることも、多くの現代日本人は忘れている。
作文の下手な空幕長が、舌っ足らずな文章で「日本は良い
国」と書いたら、これまた国語の苦手な左翼人が過剰反応。
史実や数字を感情論でデフォルメするのは、右にも左にも
共通した症状だ。

お釈迦さまの弟子に、かつて殺人鬼だった男がいた。
アングリマーラ(指鬘外道)と呼ばれ、全インドに知らぬ者は
いない、泣く子も黙る極悪非道の鬼であった。
彼は怨念を抱えていた。師事していたヒンドゥー教僧侶から
濡れ衣を着せられ、挙げ句は呪術によって洗脳を受けた。
(人を千人殺せ。さすれば汝の呪いは解けよう)
以来、彼は殺人鬼となった。999人目を殺そうとした時、目が
覚めた。それは身を捨てて彼を止めた母のおかげだった。
俺をこんな目に遭わしたのは坊主だ。世界で一番偉い坊主
を殺してやる。やがて彼は、お釈迦さまの存在を知る。
森で待ち伏せし襲いかかったが、お釈迦さまはまったく意に
介さず、彼を無視してすたすた歩いていく。とまれ!坊主!
「私はさっきからずっと立ち止まっているよ。動いているのは
君の心。怨み苦しみ、激しく動いているのは、君の心だ」
アングリマーラはお釈迦さまの弟子となった。

親鸞は、この説話を引用して門弟を諭した。
「私が言うことに従うかね?」
はい。
「本当に従うか?」
もちろんでございますとも。
「ならば人を千人殺して来なさい」
お言葉ではございますが、私にはそんなこと出来ません。
「ならば何故、従うなどと言ったのか?」
そ、それは・・・。
「これで分かったね。人間は自分の意思どおりに生きている
わけではない。君が人殺しをしないのは、君が“善人だから”
ではない。たまたま殺さずにすんでるだけなのだよ。万が一、
避けられぬ状況に追い込まれたら、どんなに人殺しは嫌だと
思っても、百人千人殺してしまうことだってあるのだ」

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コメント

「たまたま殺さずにすんでいるだけ―」
我々には、あまりにもこういう考え方が欠落しすぎているように思う。大体、子どもも大人も年寄りもみんななんでこんなに偉いんだ?
増え続けるクレーマー、無責任な自己主張、無意味な自分探し、挙げ句の果てが裁判員制度。学級会とは訳が違うのに。
教育に精神的指標(例えば宗教)がなくなってしまって久しいから、学校で犯罪や事件を教材にするとき、先生たちはどうやって指導したらよいか途方に暮れてしまう。先生自身が自分自身とタイマン張った経験が乏しいから、テキストがないと何にも出来ないのだ。タイマン張らない怠慢者の増加で、やがて国は滅びてしまうだろう。

>HIROMI様
「タイマン張らない怠慢者」、名言です!いただきッ☆
昨日は来日したインド仏教徒の青年実業家(MBAを持つ超エリート)と『成道会』を勤めたんですが、会食している時、宗教情操教育の必要性が話題に上りました。

龍之介芥川の『蜘蛛の糸』、知ってる?
「もちろん。英語版ですがロンドン留学中に読みました。名作ですね」
あれが日本ではつい最近まで公立教育の場で教材から外されてたんだよ。
「えー(笑)。なんでですか?ブッダも登場して、哲学的テーマを分かりやすく書いた味わい深い短編なのに。日本は仏教国でしょう(笑)」
バカな知識人が、“公立教育に仏教という特定宗教を取り上げることは自由主義に反する”とか云って文句付けたからさ。
「ははは!それ、いただきッ。皮肉が利いててナイスなジョークですよ!」
・・・い、いや、マジなんですけど。

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