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『禅 ZEN』

高橋伴明監督作品『禅 ZEN』を観に行った。
日本曹洞宗の開祖、道元禅師の生涯を描いた映画である。
あたりまえだが坊主といえどもタダではない。きっちり一般
料金1800円也を自腹切った。ま、とりあえず業界の話題に
ついてけないと困るしね。
しかし、観る前から期待感は薄かった。
空海の物語なら超絶的カリスマだし、親鸞なら結婚問題や
弾圧やらで波瀾万丈、日蓮ならとにっかく特濃キャラだから
作品として成立しやすいだろうけど、うーん、道元ねえ。
なんか、ずっと坊さんが座っているだけの映画になっちゃう
気がするなあ。てなことろが、正直な思いであった。

ワシは横浜にある曹洞宗二大本山の一つがご近所なので、
妙な親近感を勝手に持っている。
そこで修行する若い雲水が、青々と剃り上げた頭と新品の
作務衣姿で庭掃除などしている光景は、とても清々しい。
彼らが、夜ごと焼き肉屋に繰り出し、酔った勢いで風俗店に
なだれ込み、逆におねえちゃんから説教されたりすることも
よく知っている。べつにいいんじゃね?若い証拠だし。
もちろん、真剣に取り組む者もいるだろう。
「只菅打座(しかんたざ)」
ひたすらすわる。それは、立ち上がったときなにをするか?
という意味ではないか、と念仏坊主のワシは思っている。

さて、本編について。
組織の身内褒め、もしくは布教目的の動員映画になるのは

宗教モノの宿命といえるが、いくらなんでもこりゃヒドイ。
唯一、共感できたのは道元の『反権力』の姿勢だけで、後は
ただ礼賛一色。葛藤も煩悶も、まったく描かれていない。
批判的に書くと「宗派が違うから・・・」等と邪推されそうだが、
実際、そのレベルにすら達していないのだ。
恐らく教団側から陰に陽に、圧力じみたなにがしかを受けた
であろう高橋監督の、忸怩たる思いは察するに余りある。

禅が、不動なる大岩、を目指すなら、念仏や題目は、
「ROCK'N ROLL(転がり続ける岩)」
なんだな、と改めて感じた。

1800円、返せ~ッ!
ワシはその金で、特製つけ麺大盛全部のせ、を喰う!

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

そーでしたかあ…。その映画、一時観ようかなと思っていたんですよ。宗教業界(そんなのあるか?)の事情は殆ど知りませんが、なんとなく「期待外れかな?」という予感はしていました。
表現者にとって、既成概念や権威との軋轢は永遠のテーマ。まあ大抵は妥協で終わります。何しろ興行的に失敗したら洒落になりませんからね
||(;-_-)|||
>曹洞宗の二大本山の一つ…ああ、あれね(笑)私んとこも馴染みがあります。割と近くですから。(あのお寺さん附属の高校に進学する中学生も結構いますよ。)
あのお寺さんで若いお坊さんたちが野球大会に興じているのを見ました。なんか学園物を見ているみたいだった。

>HIROMI様
中村勘九郎と藤原竜也の好演が光るだけに、惜しい気もします。
低予算に難渋したらしく、いまどき「昭和の特撮」なみのCGには脱力。これワザと狙ってんの?と深読みしたくなるほどお粗末でした。
道元(中村)が天童山で大悟徹底する場面では、なんと☆空中浮揚!
また北条時頼(藤原)が敵の怨霊に脅える場面では、モロに「はめ込み」バレバレの生首が飛び交う、ああ懐かしの妖怪映画。
高橋監督作品はワシの世代だとその昔、エッチ系でお世話になっただけになんか哀しい気分がしました。
色欲に迷った弟子がみずから破門を申し出る場面があり、さてどう展開するか?と思ってたら、去ることを認める中村道元。うーむ、これってもしかして高橋伴明監督最大の抵抗か?なぜなら現在の曹洞宗の坊さんは、浄土真宗のように教義的な裏付けがあるわけでもないのに、みんな当たり前に結婚してる。ということは、
「俺に注文ばっかつけたアンタら、道元禅師がいたら、みんな破門じゃぁぁッ!」
・・・と。これも深読みですが。(゚ー゚;

ぬぬっ?そのバレバレお茶目な特撮とやら、なんか観たくなってきたぞぉ~っ!(≧∇≦)
映画とはカンケーないんですが、今日、五木寛之の「21世紀仏教への旅韓国編」を見ました。番組で法頂和尚という方が仰っていたのですが「国家に守られている宗教より、迫害を受け、弾圧されて尚、生き残ってきた宗教こそが人々に生きる勇気を与える本物の宗教だと思います」。韓国は李王朝時代に仏教が弾圧された歴史がありますからね。インドで佐々井和尚様が頑張っておられることを思い出しました。

>HIROMI様
じつは当初、五木寛之『21世紀仏教への旅』ではインド編に佐々井師が登場する予定で、実際、五木 VS 佐々井対談も行われた(ムンバイで二時間程)のですが、佐々井師があまりにもヒート・アップし過ぎ、日本仏教界をクッソミソのボロッカスにコキおろしたためざっくりカットされた、という経緯があります。
またNHKとしては、日本とインド両国政府への政治的配慮を優先し、反動分子たる佐々井秀嶺を取り上げなかった、ということもあるでしょうね。いみじくも法頂和尚のおっしゃった言葉は、NHKへの批判にもなったわけです。( ̄ー ̄)ニヤリ

こんにちは、和尚様。
このブログは5年ほど前から読ませていただいております。これまでコメントもせず「タダ見」してしまい失礼をいたしました。
私も昨日、この「禅」を観てきました。ウチは曹洞宗の檀家なので、住職さんから「ぜひ観て欲しい」と前売り券をいただきました。どうやら地域ごとに観客動員数を競っているらしいですよ。
で、作品ですが、ところどころに念仏に対する批判らしきセリフもあり、自画自賛映画だなぁ、と感じました。他宗派の人が見ても、きっとつまらないだろうと思います。
ちなみに、エキストラの中には本物の坊さんもたくさん含まれていて、このチケットをくれた住職さんも「息子が出ている」と自慢されておりました。
それでは和尚様、これからもよろしくお願いいたします。

>TAKAHASHI様
はじめまして!今後ともよろしくお願い致します。
まぁ、念仏についてはあの時代の社会通念があんな感じだったでしょうから、いいんじゃないっすかね。ですが、すでに道元登場の二十年前に、親鸞は関東地方を中心に「即得往生、現生不退」(救いは今。来世を待たず)の教義、いわゆる浄土真宗を広めていましたし、そのため危険思想として鎌倉幕府から睨まれ、訴追まで受けていた史実と合わせると、うーんどうかなあ、とは思いますがね。
とはいえ真宗も禅宗も、日蓮さんにかかれば、
「念仏無間、禅天魔」(南無阿弥陀仏を称えたら地獄へ堕ちる、座禅を組んだら悪魔が取り憑く。南無妙法蓮華経以外は、ぜ~んぶ邪教だっぴょーん☆)
ですから、邪教日本シリーズのセパ両リーグ優勝チーム、みたいなもんですわ。
がっははははははは!(ノ∀`)・゚・。
それと、内田有紀が演じた遊女の役名「おりん」、あれはねえやな、と思いました。鎌倉室町の頃の女性は、自然物や地名にちなんだ名前を用いるのが普通でした。おぼろ、かげろう、あるいは信濃、筑前、というふうに。それが江戸時代式に「お」を付け、しかもキャラに合わせて凛々しく「りん」とは!水戸黄門じゃねえっつーの。

もうずいぶん前になりますが、三国連太郎さんが作った『親鸞/白い道』では、このワシもエキストラで参加しました。本編中にSEで流れる声明や念仏は、声がデカイせいもあって、主にワシです。(;´▽`A``

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