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原点

先週末、在日インド仏教徒の家庭で夕餉のお招きを受けた。
「おつかれさまでした」
佐々井秀嶺師44年ぶりの帰郷に微力を捧じたワシのことを
ねぎらってくれると云うのだ。正直、照れ臭い。
若い夫婦ふたり暮らし。もともとはIT関連に共働きの就職で
来日したのだが、不況により、夫君は現在失業中。
「あらぁ☆和尚さん、なんだか優しい顔になったわね♪」
奥さんが大きな瞳をさらに見開いて、ビックリしたように言う。
そおかあ?てか、ワシってそんなに人相悪かったかなあ。
「ま、日本人らしくなったってことだよな」
夫君は、インド仏教会本部インドーラ寺から徒歩一分の家で
生まれ育った。独身時代にはバイクの後部席に佐々井師を
乗せ、布教活動の手伝いをした“筋金入り”の仏教徒だ。

ささやかな暮らし。2LDKのアパート。
部屋の片隅の小さな祭壇には、仏像、そしてアンベードカル
博士と佐々井秀嶺師の写真が飾られている。
その前に三人でぬかずき、パーリ語のお勤めをした。
いつもなら「ジャイ!」の雄叫びを上げるところだが、近所に
迷惑が掛からぬよう、おとなしく、歌うように、ジャイ・・・。
胸にしみた。じ~んときた。

佐々井秀嶺師来日のおかげで、多くの出会いを経験した。
熱い魂を抱いて真っ直ぐ生きる素晴らしい仲間たち。
刎頸の友も得た。
また、運命的な再会にも恵まれた。

反面、「ササイ看板で一発☆当てよう」、というくだらない輩に
付き合わされ、逃げ出したことも何度かあった。

そういう連中は佐々井師の出国と同時に雲散して消えた。
きっと今ごろ、一緒にならんで撮った写真なんぞをひけらかし、
拝観料でも取って小銭を稼いでいるのだろう。
師の滞在中には、昼夜を問わず鳴り続けたわが携帯電話も

今やすっかり静けさを取り戻している。日常に、帰った。

「いっぱい食べてちょうだいね、頑張って作ったんだから」
奥さん自慢のカレー。正真正銘、本場の味。
「ほら、冷めないうちに」
「ははは!ゆっくり食べなよ。日本人はせっかちだからなあ」
ううむ。冷めないうちにゆっくり、か。インドの神秘だ。

人間の、信仰の、仏教の、原点。
久し振りにそこへ立ち返ることが出来た夜だった。

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