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波紋

今年一年を振り返るにはあまりにも早過ぎるが、今週金曜から
約三週間インドへ行くワシにとっては、ひとつの機会だと思う。
『佐々井秀嶺師44年ぶりの帰郷』
この歴史的出来事に微力ながら関われたことは、所詮チンピラ
坊主に過ぎないワシの人生に、分不相応な栄誉であった。
思えば昨年秋、佐々井師が、
「そろそろ来年あたり日本へ行くつもりだ」
と言った時、はいはいそーね、とまったく真に受けなかった。
過去、何度か帰郷話は持ち上がったが、ことごとく実現に漕ぎ
着けなかった。日本の佐々井師関係者の間では、いわばUFO
目撃談と同類のファンタジーであった。

今年始め、作家:山際素男先生にお会いすることが出来た。
佐々井師の存在を日本国内に知らしめた第一人者であり、なに
よりそれまで名だたる仏教学者が誰ひとりとして成し得なかった
インド仏教復興の根本聖典、アンベードカル博士畢生の大著、
『ブッダとそのダンマ』(光文社新書)
完訳本を世に送り出した、まさに玄奘三蔵にも匹敵しうる仏法の
大功労者なのである。
初対面のチンピラ坊主にわざわざお時間を割いて下さり、病躯を
圧してお話を聞かせて下さった。
「そおかあっ、佐々井に会えるのかあ、頑張って生きなきゃなあ」
佐々井師来日の一ヶ月前、山際先生は浄土へと帰られた。

先生が投じた真実の一石は、大きな波紋を広げた。
ちょうど今、インドの佐々井師のもとに日本の御婦人がおふたり、
訪ねて行っている。明朗快活な女傑コンビだ。
「どんな雑用でもいいから佐々井先生のお手伝いがしたくって☆」
御両名とも一般社会人である。

お寺の身内でもなんでもない、ごくフツーのオバサン(失敬!)だ。
資金をやり繰りし、連休を利用して、出掛けられた。
大寺院の奥様ならハワイのコンドミニアムでリゾートあそばされる
ところだろうが、こちらは、インドの不可触民居住区へ・・・。
仏教復興は、すなわち『人間復興』なのだ。

慈悲(じひ)。仏教語である。
日本では慣例的に、「慈悲をかける」や「なにとぞお慈悲を」という
ような、上下の力関係的ニュアンスで使われてきた。
だが本来の梵語では「慈=連帯」、「悲=共感」を意味する平等な
人間関係をあらわした言葉なのである。
ふたりの女傑は、佐々井師のもとでその慈悲を実践しておられる。
すべては山際先生が投じた一石から始まったのだ。

波紋に揺られる頼りない笹舟のワシも、今週末インドへ。

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