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『名士の系譜』

友人編集者から彼が担当した新書を頂いた。即拝読。
『名士の系譜 日本養子伝』新井えり著 集英社新書
著者名を見てワシは最初、
(へえ~!あのアイドル、学者先生になってたのかあ)
と勘違いしてしまった。ゆうにゃん、かと。・・・失敬。
さて内容は、日本近代史において養子縁組が果たした
成功例を列記し、世襲のアリ地獄から日本社会が抜け
出す方途を指し示している。鳩ちゃん、読めよ。

ワシが飯喰ってる坊主業界も、基本的に世襲制。
この本は副題の通り
養子によるサクセス・ストーリーを
集めたものだが、今までワシが業界内で見てきたのは
世襲にしろ養子にしろ、ダメダメなケースが多かった。
もちろんsuccessがsuccessたるゆえんは“希有だから”
であり、みんなが成功してたら栄光もへったくれもない。
累々たる失敗例のボタ山に咲く、一輪の成功花。
リアルな現実は、積み上げられた失敗者達の腐臭漂う
屍の群にこそある、と偏屈なワシは思ってしまう。

「東西翻癌痔」という教団は、日本仏教既成宗派で最大
規模を誇る組織だ。
ところがなんと、日本の伝統教団の中で唯一、管長職が
選挙ではなく、血統世襲で決められるのである。
悪フザケではない。彼らは本気だ。
そのため、悪弊因習は末寺にまで浸透し、血筋さえ寺と
つながっていれば、お経が読めなくても坊主ブランド。
跡取り息子がいない場合、娘に婿養子を取ってなんとか
寺の血を絶やすまい、と信心より血統護持を優先。
例えば実際、付き合ってた彼女が寺のひとり娘で、妊娠
させたのがバレて
彼女の父親(つまり住職)から脅され、
“できちゃった婚”で婿養子に入り副住職サマとなったが
プロの「坊さんスキル」を習得できず、結局離婚して寺を
追い出された、という奴さえいる。マジで。

『名士の系譜』著者も云うごとく、養子がプラスの効果を
発揮するのは、血以上に資質が問われるからだ。
血統を守るための養子なら、ドブへ墨を流すに等しい。

え? 乱暴な性格が災いし、寺の婿養子に行けなかった
ワシのルサンチマンじゃないかって? それも、ある。

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コメント

和尚さま 

佐々井師の御案内という大役を果たされ、ほっとされる間もなく、ますます御多忙の御様子に、心より御自愛をお祈りいたします。

ところで、先日、「真宗門主の世襲制は、どういう経典を典拠としているのか?」と、いう質問を受けました。
私は、「真宗ではないので、わからない。」と、答えたのですが、何か典拠とする教学は、あるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

>桃青様
お久し振りです☆ワシは相変わらず暴れん坊です。
さて、ご質問の件、まさに核心ですね。結論から言いますと、いかなる経・律・論・釈にも根拠を持たない、まったくの作りごとです。ゴータマ・ブッダは一子ラーフラを後継者にせず、また親鸞も長子慈信房善鸞を義絶しています。そもそも血統世襲はインドにおいてヒンドゥー教の教義であり、いわゆる『カースト制度』です。
ブッダは「四姓平等」を説き、弟子や信徒には今で云う不可触民も多くいました。
ゆえに、まず仏教の根本において血統世襲制度は真っ向否定されるものであり、いわんやそれで一宗一派の代表者が決められるなどは、荒唐無稽でしかありません。ただ、一般末寺に於いても世襲が定着しきった現状でそれを白紙に戻すのは、社会構成上からも現実的ではないでしょう。末寺のレベルでは、せめて資格試験を厳密化し、たとえば免許更新制度も導入する等していく必要があると考えます。
ですが管長職については、選挙制にすべきです。
かつて70年代から80年代にかけて、その悪弊を改革する運動(『東本願寺騒動』)が起きました。しかし、なにしろ改革派も保守派も、ほとんどがお寺のボンボン連中でしたし、門徒に浸透させた「御門跡様=生き仏」の迷信によって、逆にクビを絞められるかたちとなり、事実上、改革に失敗した歴史があります。

お寺の世襲という因習に苦しめられている人々は沢山います。
嫌なのに継がされて苦しんでいる人々、継がなかったために村八分になった人々、適性がないのに継いで寺や檀家を混乱させてしまう人々、それこそ跡目目当てで悪巧みをする人々、様々ですが、いずれにしても、お寺の在り方を歪める悪しき制度だと思います。歌舞伎役者だって世襲を否としている一派が存在するのに。

>HIROMI様
東西翻癌痔教団に限って云えば、「御門跡様=生き仏」という迷信を門信徒間に流布浸透させ、末寺の寺族はその代理人として権益を得てきた事実があります。
その結果、「欺かれた被害者」でもある門徒のあいだにも血族崇拝が蔓延し、どれほど寺の跡取りが読経ヘタ+作法デタラメ+教学チンプンカンプンであっても、在家出身の役僧で読経上手+作法見事+教学通の者より「ありがたい」と崇めてしまう倒錯した現実を生み出してしまいました。
このような状況はとりわけ東西翻癌痔教団に顕著に見られ、こんなバッド・ジョークすら囁かれる始末。 「得度試験の出題、傾向と対策。・・・親鸞は男か女か」

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» 今日の本「名士の系譜」 [しろたんと本の感想とか書くとこ]
養子に出たから成功したのかな。元々の資質と環境が揃って花開いたような気がする。失敗例はもっと多いと思うけど。婿養子の例が多くていまいちだった。そんなに面白くない。名士の系譜... [続きを読む]

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