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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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浄土

浄土
浄土
廃材を組み合わせ、ゴミ捨て用の黒いビニール袋を張った家で暮らす親子。貧困の理由はただひとつ、彼らが生まれた『血筋』だ。「ダスユ」あるいは「パリヤ」等、いわゆる不可触民と呼ばれる彼らは、かつてインダス文明を築いたドラヴィダ民族の末裔とも云われる。
氷河期を逃れカスピ海沿岸から南下したアーリア民族は、金属器文明を用いて各地の先住民を侵略、ある者は現ドイツ近辺に住み着きアーリア・ゲルマンとなり、またある者は中東に住み着いてイラン(アーリアン)人となった。インダスからガンジス河流域を経てさらに南下したアーリア民族は、次第にドラヴィダ民族と混血し、よりアーリア系の血が濃い者から順に、下へ下へと階級制度を作った。それが『カースト』である。問題は、このような古代の悪弊因習が、いまだにインドで機能しているということだ。牛が神聖視される国で、虫ケラ以下に扱われる人間がいるのである。
現代日本人でインドの表面を撫でただけの御仁は、平然とこんなことを口にする。
「貧乏は本人たちの努力が足りないから」
「インドの暗い面ばかり強調するのは古い。今や経済は急成長している」
「インドを旅行したけどカースト差別なんて見なかった」
「不可触民といわれる人たちに会ったけどみんなちゃんと普通の生活をしてた」
こういった耳を疑うような妄言に接すると、腹が立つより情けなくなる。一体、何を見てきたのか?少しばかり感性のアンテナを伸ばせば、それこそ「普通」に分かることなのに。

ビニール小屋の家族を夕陽が包む。昼間の炎熱が去り、涼しく優しい時間が訪れる。落日の方角は『浄土』の象徴である。

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