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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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翼なき者

翼なき者
写真は、孔雀明王像。
バブル全盛の80年代に劇画『孔雀王』(荻野真)でメジャー
デビューした密教の尊格。やっぱカッケーすね。
もともとは、インド孔雀が猛毒のコブラをも喰い殺すことから、
毒龍(諸悪災難)を調伏する正義の味方として考え出された
想像上の英雄。まあ、インドの孔雀は悪食、というわけだ。
ガラガラへびはグルメじゃないが、孔雀にゃペロリと喰われ
ちまう、と。いやなに、80年代がらみ、ってことで。

悪ふざけはさておき、喰われる毒龍(コブラ)の正体は何か、
そこが一番の問題である。
古今東西、先住民の信仰した神格を侵略者が「悪魔」として
貶め、それを龍(=蛇)にたとえるのは、人類のならいだ。
その伝で先住民自体を龍(=蛇)の種族とする場合もある。
北欧神話、聖書の悪魔、日本神話ならば八岐大蛇をはじめ
出雲オオナムチや諏訪タケミナカタなど、新勢力により退治
もしくは服従、或いは「永遠の対立者」と見做された存在は、
まずほとんどが龍(=蛇)である。
だが、医学の神が手にした杖には、蛇が巻き付いている。
古代の人々は蛇の脱皮を「再生」と信じ、蛇の霊力を借りて
病気や怪我を治したい、と願ったのだ。また、蛇は生命力が
強く、踏んづけたり叩いたりしたぐらいでは死なない。

「俺は子供のころ体が弱くて、父親は毎日、赤い目をした蛇
を捕まえては、その生きた心臓をつまみ出し、俺に喰わせた
ものだ。味?おぼえてないよ。噛まずに飲み込んだから」
佐々井秀嶺師が語った。(光文社新書『破天』参照)
呪術ゆえに科学的根拠は無いが佐々井師は蛇の生命力で
よみがえった人物なのである。
そして佐々井師は、インド中南ナグプール(龍宮)を拠点に、
ナーガ(龍)族の末裔と呼ばれる「不可触民」仏教徒のため
今日も明日も、文字どおり命を捨てて、尽くしている。
美しい翼で天を舞う孔雀ではなく、地を這う蛇たちのため。

翼なき者のために。

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コメント

和尚様
海外で御書が入手困難なので、せめてもと思い
アマゾンのカスタマーレビューを”ポチッ”とさせて頂きました。

>まねき猫様
ありがとうございました☆光文社新書編集部並びに営業部の友人知人に成り代わりまして、厚く御礼申し上げます。
故山際素男先生の著『不可触民の道』(初版は三一書房刊)との出会いが、ワシの人生を変えました。夢中で山際先生のアンベードカル博士や佐々井秀嶺師に関する本を読みあさり、それでも佐々井師本人に会いに行く決心がつくまで、十二年もかかりましたけどね。理由は、ビビッてたから、ですよ。(*´v゚*)ゞ

和尚様でもビビる事あるんですね!
でも正直、捨てる物が何も無い人に会うのはビビリますよね。
こっちを見透かされているようで。
胆、座ってますからね。

きっと佐々井師の前ではヤの字の親分でもビビるでしょうね。
そんな人間としての強さが欲しいものですヾ(_ _*)ハンセイ・・・

>まねき猫様
ワシの場合、なまじ同業者(僧侶)ですから余計に身構えちゃったんですね。
野球に例えるなら、ワシは草野球ではエースで四番かも知れないけど、イチローや松坂と勝負してかなうわけがない、と。

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