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スラム菩薩

スラム菩薩
スラム菩薩
今週水曜、無事帰国。
インド滞在中、ナグプール郊外の国道から少し外れた
裏路地にあるスラム街を訪れた。
ヒンドゥー、イスラムが混住するエリアの一画に、仏教
寺院があると聞いて、ぜひ参拝せねば、という気持ち
になった。陽はやや西に傾き掛けた時刻。夜になると
危険が増す一帯なので、今しかないと思った。
スラムの細い通路を真っ直ぐに進むと、やがて五色の
仏教旗が目に留まった。小さな寺。入口には太い鎖が
掛けられ、施錠されている。インドに住職制はない。
もの珍しそうについて来た子供に鍵の在り処を聞くと、
すぐに取ってきてくれた。どうやらその子の親が鍵番を
しているようだ。
(黄色人種のお坊さんが現れた!)
佐々井秀嶺師と勘違いされたらしい。近所から信者が
わらわら集まって来た。時間帯のせいもあってか女性
の顔ぶれが目立つ。男衆は肉体労働に出てる頃だ。
佐々井師を間近に見たことがない仏教徒の、期待を裏
切るのは忍びないが、
「いや、ササイ・バンテー・ジーじゃないよ」
と正直に言う。でもみんなニコニコして迎えてくれた。

本堂に上がり、一緒にパーリ語で勤行した。
インド仏教徒は大人も子供もたいがいお勤めを暗記し
ており、その信心の情熱は、生きる意味と一体だ。
勤行の最後は「ジャイ!」の唱和。
昨年、佐々井秀嶺師44年ぶりの帰国に際して、日本
各地の講演会で轟いた、仏教復興の雄叫びである。
バクワーン・ブッダ・キー・・・、「ジャーイ!」
夕暮れ迫るスラムに人間解放の合言葉が響き渡った。

ワシの下手くそなヒンディー語の法話も、みんな熱心に
聞いてくれた。彼らの心に言葉を届けるためには知識
や語学力ではなく、声に魂を込めなければ伝わらない。
一人のおばさんが感動してくれた。

再会を約束して去るワシを見送ってくれた彼らの姿が、
一瞬、菩薩に見えた。大地から湧きいでた菩薩に。
「地湧の菩薩」(『法華経』)。

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コメント

無事のご帰国何よりです

縁あって「破天」を読ませていただき
和尚様のご報告により私の印象もよりリアルなものになりました

お腹がいっぱいで暖房のきいた部屋より意見をいうのも愚かしきことのように思います
しかしながら今現実に起きていることだと理解しなければいけませんね

>ひろ様
お陰さまで無事に帰国しました。二、三日体調を崩して難渋しましたが、ドクターの野田正彰氏がご一緒だったので、いろいろ薬などを頂戴し、助かりました。
問診のような会話のあと、野田氏が「じゃ、お薬出しときましょうね」と言われた時、さすが本職だなあ、と妙に感心しました。(^-^;
さて、仏教の故国インドで、スラムに生きる仏教徒がいるという現実。
しかし残念なことに、日本仏教の坊さんがインドへ行くと、往々にして差別する側の上位階級と交流し、現実の仏教徒に接しようとはしません。情けない限りです。

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