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『必生』裏話③

昨年10月下旬、およそ20時間以上に及ぶ佐々井秀嶺師の
講話を録音したICレコーダー携え、帰国。
すぐさま集英社の担当氏による“文字起こし”作業が開始。
しかし、それからが問題の連続だった。
私事ではあるが、まず編者の老親が11月に脳梗塞で入院。
生死の境を彷徨った。他に見てやれる家族のない編者は、
途方に暮れた。また昨春二カ月の佐々井師帰国中の随行、
そして、それに続く三週間のインド滞在が、老親に計り知れ
ない心労を与えていたことを改めて気付かされ、罪悪感に
打ちのめされた。

文字起こし作業は難航した。なにしろ四十年以上インドで
暮らしている人物が語った言葉だ。日本語であっても表現
やニュアンスは印度式。しかも浪曲で潰した喉で語るから、
かなり聞き取りにくい。加えて随所に仏教の専門用語が織
り込まれるため、素養が無い人には困難を極めた。
ようやく全体の文字起こしが終わったのは2009年の師走も
押し詰まった頃だった。

編著作業は年末年始突貫で行なった。
佐々井師の少年期から青年期にかけての苦悩時代を文章
化していた時、編者の心身が変調を来した。
いわゆる“入り込んでしまった”のであろう。たびたび嘔吐に
見舞われ、挙げ句は胃痙攣を起こして、救急車で運ばれる
事態となった。今にして振り返れば、佐々井少年のカオスに
飲み込まれていたのではないか、と思える。
このため、最初に編集部へ送った本文は、基本的にNo!と
判断された。なるほど、一般の読者がページを開いてすぐに
延々と苦悩話を聞かされたら、それから先を読む気がしなく
なるだろう。
そのほか、校了までに削った文章は、最終的に本書の五倍
近くにも達した。なかには、このまま埋もれさせてしまうには
惜しい逸話もいくつかある。いずれ機会があれば公開したい
と考えている。

一応のゲラが仕上がったのは初夏の頃だった。
佐々井師へチェックをお願いし、
「まあまあこんなもんか。こりゃ、佐々井秀嶺入門編、だな」
とのお言葉をいただいた。

その後、数回の校閲を経て、遂に2010年10月15日の発売に
漕ぎ着けた。 ・・・企画の立案から一年半、インタビュー収録
から約一年を要したことになる。
<④へ続く。次回はちょっとだけ内容紹介?>

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