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『必生』こぼれ話②

<第二回 ヒッピー騒動>
ご承知の通り、ヒンドゥー教で牛は“神の使い”とされて
います。破壊神シヴァが乗る聖牛ナンディー、ですね。
そのためインド社会では、仏教徒であろうとイスラム教
徒であろうと、牛を敬うフリをせねばなりません。
不殺生を第一とする仏教徒であれば、動物愛護という
ことで問題ないですが、豚以外なら肉料理の大好きな
イスラム教徒にしてみれば、複雑でしょうね

いずれにせよ、牛は敬っておけば面倒がない、と。

さて、佐々井秀嶺師が初めてブッダガヤーを参拝した
のは1970年代の始め頃。
敬虔な気持ちで釈尊成道の根本聖地を訪れた若き日
の佐々井師が見たものは、到底聖地とは呼べぬ頽廃
と混乱の、ヒッピー天国。
日本仏教界が各宗派合同の名目の建てた日本寺には
輪番(交替制住職)が不在で、本堂のあちこち、境内の
到る処には、世界各地から集まったヒッピーが、乞食も
目を背けるような不潔な身なりで転がっていた。
しかも辺り一面には、大麻の紫煙。
「ナニやってんだ君らは!居候にも仁義があるぞ!」
彼らとさほど年令の変わらぬ佐々井青年ではあったが、
人生を一からやり直すつもりで来たインドで、同年配の
若者が自堕落に耽る光景を目の当たりにし、つい昂奮
してしまった。
「全員立て!これから本堂と境内の掃除を手伝え!」
反発されるかと思いきや、みんな素直に従った。

だが彼らの本性は、数日後に露顕した。
夜、そろそろ寝ようかと横臥した佐々井青年の耳に、時
ならぬ狂騒が聞こえてきた。なにごとか?と慌てて外へ
出ると、境内ではキャンプ・ファイヤーのお祭騒ぎ。
しかもその炎の上では、どこから盗んで来て殺したのか、
牛が一頭、丸焼きにされている。白人ヒッピーが叫ぶ。
「Yeah!SUKIYAKI!」
こんなことが近隣のヒンドゥー教徒に知れたら暴動が起
きる。ましていわんや釈尊成道の聖地に建つ日本寺の
境内である。佐々井青年のリミッターが外れた。
「キサマらとっとと出て行けえぇぇっ!」

どう? 聖書にあるイエスが神殿前の商店を追い払った
話にも通じる感じがして、よくない?
「う~ん、エピソードとしては面白いんですがね、本題と
離れ過ぎてますし、なんか夢も希望もないので『必生』
のテーマにそぐわないような・・・」
と、ごもっともな指摘を受け、これも割愛しました。

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