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『必生』への道

改めて『不可触民の道』(三一書房)を読んでいる。
著書は故山際素男先生。
手元にあるのは93年6月第一版第六刷。初版は82年
2月だ。その前年、山際先生は佐々井師と会った。
ワシがインドを初めて訪れたのが92年であり、帰国後
書店に注文して取り寄せたときは新品だったこの本も
ページがセピア化を始めている。
いまでいう、新書サイズのこの一冊と出会えたことが、
ワシのその後の人生を大きく変えた。
佐々井秀嶺。とてつもない男が同時代に生きている。

存在を知った時は、驚嘆した。また、畏怖をも感じた。
こちらは生臭坊主といえど同じ仏門に身を置く者。
草野球ではエースで四番のつもりでいてもイチローや
松坂とガチで勝負できるとは思わない。
だからその後、年に二回、十年以上もインドへかよい
続けたが、ナグプールだけは避けて通っていた。

やがて『9.11』勃発。世界は宗教対立の時代となる。
その後も日本とインドを往復しながら、たびたび逡巡を
繰り返してのち、やっと決心がついた。
(佐々井師に会いに行こう)
ノー・アポで訪ねた生臭坊主を師は笑って受け入れて
くれた。
「おかしいじゃないか。私のことをずうっと前から知って
いて、十何年もインドに来てながら、このナグプールへ
来るのは今日が初めてだ、なんて」
怖かったんです上人のことが。と、馬鹿正直に答えた。
「がっはは!獲って喰ったりはせんよ!」

こうして始まった佐々井師との法縁が、やがて2009年の
一時帰国、そして今年の『必生』につながった。
山際先生は『不可触民の道』末尾にこう記している。
「佐々井師を援け、不可触民の援軍に駈けつけてくれる、
仏教徒がどのようなものであるかを“知っている”ひとが、
ほかに現れてくれるのを期待したい」
・・・何もかもすべては、山際先生のお導きだったのだ。

『必生 闘う仏教』佐々井秀嶺著(集英社新書)
皆さまのお陰を持ちまして、発売後約一ヶ月で重版となり
ました。厚く御礼申し上げます。編者拝。

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コメント

重版おめでとうございます。
家の母も今、二回目を読んでいるところらしいです。
そして『不可触民の道』はどうしても読んでみたくなりました。
アマゾンで見ると在庫もあるようなので注文する事にします。

>REUSEI様
おおっ、見つかりましたか☆確かに中古が出回っているようですね。
時代背景が冷戦構造下であり、宗教問題に関わる世界情勢が現在と違いますから、あるいは微妙な違和感を持たれるかも知れませんが、山際先生が初めて佐々井師に会った時の感慨など、今となっては史料的価値の高いものです。特に、佐々井師が自身の過去について一切語ろうとしなかった辺りなど、のちの『破天』や『必生』を考えると、内面の苦悩の深さの一端を垣間見る気がします。
この『~道』によって80年代に「第一次ササイ・ブーム」が起きたんですよ☆

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