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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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白道

白道
白道
一億五千万人ともいわれる現代インド仏教徒。その
ひとりひとりと、佐々井秀嶺師は向き合っている。
個々の訴えに真正面から耳を傾け、各々の苦しみを
両手でしっかりと受けとめる。
この日佐々井師は、ひとりの老婆に請われて彼女が
暮らす集落を訪ねた。いわゆる“不可触民”の村。
季節は冬といえど、日中はかなり暑い。その日差しに
乾いた牛糞が埃となって舞い散り、羽虫が飛び交う。
「お寺が壊れちまったんだよ」
老婆が指差したのは干乾し煉瓦を積み上げた納屋の
ごとき倒壊家屋。割れた外壁の隙間から中を覗けば、
小さな仏像とアンベードカル博士の肖像画が見えた。
僧侶はおらず、篤信の村人たちによって守られてきた
仏法道場だ。
「よし、わかった。すぐになんとかしよう!」
佐々井師が老婆を見つめて力強く励ます。
そこへ、小学校低学年ぐらいの姉妹が挨拶に現れた。
「ワンダミー、バンテー・ジー」
聞けば倒壊した寺は、村の分教場も兼ねており、今は
隣接した小屋で授業が続けられている、という。
「この村の周りはヒンドゥー教徒ばかりだから村の子供
らは不便でもここで勉強するしかないんです」
側にいた青年が呟いた。
インド仏教徒が歩む道は、常に差別の火と抑圧の水に
侵されている。また背後からは、もといた所へ引き返す
ように呼び掛ける誘惑の声が絶えることはない。
だがアンベードカル博士が指し示し、ブッダが招喚する
一本の“白い道”を、彼らは迷うことなく進んで行く。
佐々井秀嶺師と共に。

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