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解放

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修行者ゴータマは断食によって衰えた体力を近隣の
村娘スジャーターが供養した乳粥によって取り戻し、
菩提を得た・・・人口に膾炙したエピソードだ。
さて、乳粥を食したゴータマを見て、その時まで共に
修行していた五人の比丘が、彼は挫折した、と軽蔑
して去ったといわれるが、この点についてインドには
もうひとつ別の解釈がある。
スジャーターが不可触民だった、という言い伝えだ。
カースト制度においては低位階級の者が作った料理
を食べると宗教的に穢れる、という迷信がある。
そのため今日でも地方へ行くと、大衆食堂の看板に、
「BRAHMIN MEALS」(当店の料理人は婆羅門です)と
明記されている光景に遭遇する。
最高位階級出身者が作ったカレーならば多少お店が
不衛生でも宗教的に清潔だから大丈夫、と客は安心
するわけだ。決して冗談ではない。
ゴータマはブッダとなる以前からカースト差別に反対
していたので、スジャーターが差し出した乳粥も、あり
がたく頂戴したのだ、という解釈である。
そもそもインドでは断食中といえど果物や軽食を口に
することは珍しくない。(『必生』71頁)
ましてや乳粥は、“キール”という名のお菓子だ。
五比丘もその程度はみな摂取していたと考えるのが
インド的に自然であり、要は、作り手の階級なのだ。
「不可触民が作った菓子を食べたゴータマは穢れた。
こちらに感染する前に、逃げ出そう!」
日本的先入観にとらわれず、今も続くインドの日常に
照らして見るならば、このほうがしっくりくる。

写真下は、風船ガムをふくらましておどける仏教徒の
少女。現代のスジャーターはお茶目さんだった。

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