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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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大情のひと

大情のひと
大情のひと
初月命日法要の翌朝、いつもどおりに勤行を終えて
佐々井師の居室へ挨拶に行くと、
「お位牌を持ってきなさい」
部屋へ戻り、枕元に安置していた東日本大震災物故
者諸霊位の白木位牌を佐々井師のもとへ。
「今朝は亡くなった方々と一緒にご飯をいただく」
そう言うと、近隣の信者から供養された野菜カレーと
チャパティと水を、霊前に供えられた。
「仏説摩訶般若波羅蜜多心経。観自在菩薩・・・」
般若心経に続いて法華経方便品自我偈、そして南無
妙法蓮華経と南無阿弥陀仏。
パーリ語勤行ではなく、日本大乗仏教のお勤め。
佐々井師には上座や大乗、ましてや宗派の違いなど
関係ない。ジョウ、でいうなら『人情』だ。

その後、読経を終えた佐々井師は、なんと位牌に語り
掛け始めたのである。
「地震と津波のことは、こちらのテレビで毎日見ており
ました。映像を見ながら私は泣いておったんですよ。
皆さんのことを思うと、悲しくて、なにも出来ないことが
悔しくてねえ。本当に本当に、申し訳なくてねえ。
一昨年、44年ぶりに帰国したときには、仙台へも伺い
ました。古い知人がいろいろ案内してくれて、そのとき
のことを思い出すと、また涙が出てしまいます。
私が子供の頃、日本は原子爆弾を二発も落とされて
戦争に負けました。何年も続いた戦争で、多くの人が
亡くなり、国中が焼け野原になりました。
なにもかも失ったところから、しかし見事に立ち直り、
ここインドを初め、たくさんの国から尊敬されるように
なったのです。
龍樹(りゅうじゅ)菩薩様は、空(くう)の教えを説かれ
ました。これは、空しい、という意味ではありません。
なにも無いから、なんとでもなる。そういう慈悲の教え
であります。ゼロと無限は同じなのだ、と。
亡くなられた方々も生き延びた皆さんも、みな無限の
空に包まれて、一つなのです」

やがて語り終えると、佐々井秀嶺師は宣言した。
「大乗仏教発祥の地に慰霊碑を建てる!」
その直後から計画は実行に移され、龍樹ゆかりの地
マンセル遺跡に、今年八月の除幕式へ向けて本格的
作業が開始された。

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コメント

インドでも拝んでくださってありがとうございます。
被災地へ行けというのもありますが、私も亡くなられた方々が成仏する方ことも大切だと思います。
それこそ、生きてるほうがなんとかなるっていうか。

こう言うと怒られるかもしれませんが、日本の仏教界のお坊さんも本気で拝む心を再認識したかもしれないと思います。私個人ですらそうですから。亡くなられた方々のお陰様です。こんなことにならないとわからない自分は全くふがいないです。

でも、佐々井師の言葉にはほんとにいつもはげまされ、涙が出ます。「亡くなられた方々も生き延びた皆さんも、みな無限の空に包まれて、一つなのです」って、やっぱり仏教を信仰しててよかったなー!と思いました。

>yunkito様
お久しぶりです☆お元気そうで何よりです♪
佐々井師は、ジャーナリズムの取材や、たまに日本から来る面会希望者などに対しては剛勇な言動を見せますが、本当は写真のように、真っ直ぐで優しい人なんですよ。ただ、なにぶん『昭和の漢(おとこ)』ですので、なかなか素顔は見せませんけどね。(^-^; 今後とも宜しくお願いします。

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