2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト

« 生誕祭(1) | トップページ | 生誕祭(3) »

生誕祭(2)

生誕祭(2)
生誕祭(2)
生誕祭(2)
法灯を捧げ持つ佐々井秀嶺師を先頭に行進が始まった。
すると、待ち構えていた人々が続々と集結しはじめ、市の
目抜き通りはあっという間に大群衆で埋めつくされた。
老若男女、とりわけ女性の数が多いことに気付く。
インドの女性は日頃、単独で外出することすら憚られる。
既婚女性であればなおさら家の中に縛りつけられる。
そのためインドの家庭では、毎日の食材買い出しは亭主
の仕事、とされているくらいだ。
理由は安全上の問題と、根深い男尊女卑の弊習にある。
「仏教徒の女は強いわよお、自立してるから」
ひたいに紺色の粉(紺はインド仏教徒のカラー)を塗った
婦人が豪快に笑う。
アンベードカル博士は女性解放の先達でもあったのだ。

佐々井師を乗せて山車が動き出した。
派手な電飾の席に腰を下ろす時、一瞬、佐々井師は照れ
くさそうな顔をした。民衆の心をまとめるには、御輿に乗せ
られる役目も必要、ということだろう。
ところで佐々井師は2007年の生誕祭の折、手にした松明
の炎が袈裟に飛び火し、右腕に大火傷を負った。
応急処置程度で済ませてしまったため、その後しばらく膿
が止まらず、肘が曲がらなくなるほどの重傷であった。
(二年後、2009年の一時帰国の際に日本の病院で治療を
受け、現在はほぼ回復している)
それほどの目に遭っても法灯を掲げることをやめはしない。
「行くぞ怒涛の人生を、だ」
愛唱歌、美空ひばり『力道山物語 怒涛の男』の詞である。

さて、山車は遅々として進まない。
14日アンベードカル博士の誕生日に向け、日付が変わる
直前に生誕記念公園へ到着せねばならないのだが、なに
しろ通りを埋めた群衆の数が尋常でない。そのうえ時間の
経過と共にますます増えていく有り様だ。
警備に動員された警察官たちは、最初からあきらめている
様子で、ただ傍観するばかり。後日聞いたところによれば、
大混乱にも関わらず窃盗・痴漢などの犯罪はゼロだったと
いう。それも、例年のこと、だそうだ。

宗教を背景にした争いが世界人類の未来を左右する現代
にあって、これは奇蹟だと思った。

« 生誕祭(1) | トップページ | 生誕祭(3) »

仏教・宗教全般」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/503578/51659322

この記事へのトラックバック一覧です: 生誕祭(2):

« 生誕祭(1) | トップページ | 生誕祭(3) »