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南天の白蓮(8)

南天の白蓮(8)
すべての行事を終え、ラック(RACK)一行をお見送り
した明くる日、改めて東日本大震災物故者慰霊碑を
参拝した。
除幕開眼式の当日は、人でごった返し、式を滞りなく
進行させることに神経を奪われていたため、今度は
一日本人として、大震災と津波で亡くなられた方々の
御前にお参りさせていただいた。
慰霊碑が建てられた場所は、ナグプール郊外にある
マンセル遺跡の一角。沃野千里の豊穣な大地だ。
仏教神話では、大乗創始者:龍樹菩薩(Nagarjuna)は
南天竺にある鉄塔から大乗経典を発見したといわれ、
その鉄塔は、長らく架空の存在と見られてきた。
だが佐々井秀嶺師は、漢訳仏典の文字から想像され
るイメージではなく、サンスクリット語の表現や現地の
言語習慣など、日々の具体的な生活実感に基づいて
〝南天・鉄・塔〟のキーワードを解明したのである。
(集英社新書『必生 闘う仏教』137頁)

被差別民衆と深く交わり、彼らの呻吟に真正面から耳
を傾ける中、かつて「人間平等」の教えをこの地で説き
示した偉大な先駆者の残光に接した。
そして民衆のあいだに細々と伝えられる口碑を丹念に
拾い集め、直感と信念をたよりに、みずからスコップと
ツルハシを振るい、「大乗仏教発祥之地」を捜し当てた
のである。佐々井師は、既存の権威や学説がまだ追い
ついていない処へ、地位や知識とは無縁な民草と共に
辿り着いたのだ。

南天鉄塔は巨大な蓮の花を模したストゥーパ(仏塔)。
周囲には花弁を表す階段があしらわれ、壁面には茎を
意匠化したデザインが施されている。
このような建築様式は、全インド中ここにしかない。
「大白蓮華(だいびゃくれんげ)」
蓮は泥の中に根を張りながらも純白の花を咲かせる。
すなわち泥は煩悩、花は悟り。これが大乗仏教だ。

みほとけの蓮の台(うてな)に見守られるかの如くして、
東日本大震災物故者慰霊碑は建っている。

(※写真後方、丘の上に南天鉄塔遺跡)

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