2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
フォト

« 共感力 | トップページ | 現場必生 »

『BANDIT QUEEN 』

『BANDIT QUEEN<br />
 』
インド映画『BANDIT QUEEN』(1994年)。
監督シェーカル・カプール、主演シーマ・ビシュワス。
実在した女盗賊プーラン・デヴィの数奇なる半生を
実話に基づいて描いた問題作。
製作発表段階から各方面で物議を醸し、完成後は
あまりにも生々しいレイプ場面やカースト差別描写
を理由に、インド国内での公開が見送られた。
しかし海外で大きな話題を呼び、またプーラン個人
への高い関心をも惹き起こした。

【あらすじ】
被抑圧階級のマッラ(ガンガー流域で船頭や荷物
運び等に従事するカースト)の娘として生を受けた
プーランは、インドの弊習で幼児婚をさせられる。
20才以上年の離れた夫は、初潮前の彼女を犯す。
虐待を逃れ、荒野に飛び込んだ彼女は、野生児の
ごとくひとりで成長する。たまたま山賊団に拾われ、
そこで同じマッラ階級の青年ヴィクラムと出会う。
プーランとヴィクラムは裕福な上位階級を襲撃して
盗品を下層民衆に与える“義賊”となる。
愛し合うふたりが初めて結ばれるとき、彼女は彼を
何度も殴打した。幼い頃から性的暴行を受け続け
てきたプーランは、行為の前にはそうするものだと
思い込まされてきたのだった。
裏切りによってヴィクラムは暗殺され、上位階級の
村に連行されて男達から辱めを受けたプーランは、
復讐の鬼女となる。殺戮を繰り返す一方で、義賊
として働く彼女を、被差別民衆はいつしか「荒ぶる
女神」として崇めるようになる。
だが警察が次々と手下を射殺し、長い逃亡生活の
末、遂に力尽きたプーランは投降する。
投降式。見せしめのために設けられた舞台の上で
警察長官に平伏する彼女を、民衆の歓呼が包む。
「プーラン・デヴィ万歳!」

映画はこのシーンで終わる。
実際の彼女は、収監後、人権団体による減刑嘆願
運動が起こり出所。その後、政界入りを目指す。
また同じ頃ヒンドゥー教から仏教へ改宗。
2001年7月デリーの自宅前で復讐の銃弾に倒れる。
享年38歳。

今回、なぜこの旧作をあえて取り上げたか。
近年インドの急速な経済成長を受け、政治絡みで
煽られる“インド・ブーム”に、些かの違和感を禁じ
得ないからだ。本作に描かれる世界は過去のもの
ではない。今もってインドの素顔なのである。
神秘と瞑想、悠久の大地…。プーランを生き地獄へ
突き落としたものが、そこにある。

« 共感力 | トップページ | 現場必生 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/503578/55423692

この記事へのトラックバック一覧です: 『BANDIT QUEEN 』:

« 共感力 | トップページ | 現場必生 »