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銀幕菩薩道

銀幕菩薩道
「そうだなあ、私はアニル・カプールが好きだな」
…或る日、佐々井秀嶺師の居室にて。
師は若いころヒンディー語を労働者と一緒に汗を
流しながら学んだという。
アンタはどうやって覚えたんだ?と聞かれた拙が、
ボリウッド映画で、と答えた時、佐々井師が上記
の俳優の名を挙げた。
アニル主演作は過去に日本でも公開されており、
また近年では米TVドラマ『24』にも出演している。
もちろん佐々井師はそんなことは知らない。インド
民衆と同じ目の高さで、お気に入り、なのだ。
「彼の芝居は迫力が違うからなあ」

そこへひとりのおばちゃんが入って来た。
映画の話題と知ると、いきなり歌をうたい始めた。
アニル主演の旧作『TEZAAB』の挿入歌だ。
「Ek Do Tin (1, 2, 3)」

https://www.youtube.com/watch?v=iwycoX_aHmc&feature=youtube_gdata_player
佐々井師は日本語で拙に言った。
「この人はな、むかし続けて七人も家族や子供を
亡くした。それでちょっと心の病気になり、親戚が
私のとこへ連れてきた。祈祷で治してくれ、という
わけだが、私は拝み屋じゃない。気が済むように
祈ってやった後、
“彼女の好きなものはなんだ?”
と聞くと、映画だ、と。だからこう言ったんだ。
“今日からなんでもいいからボリウッド映画を毎日
見させろ。お金がなくなったら私が出してやる”
本人にはこう言った。
“とにかく毎日映画を見て、歌と物語を覚え、私に
教えなさい。そのあとまた祈ってやるから”
何百本見たのか知らないが、すっかり快くなった。
今でも映画好きだけは治らないがね」
これに医学的根拠があるのか拙には分からない。
だが、民衆の心のヒダに深く分け入り、泣き笑いを
共にしてきた佐々井師ならではの妙案だろう。

さておばちゃん、自分のことを語られているのだが、
歌を誉められたと勘違いして、ますますノリノリ。
とうとうリクエストまで要求してきた。
ようし、最近のなら知らないだろう。と意地悪な気を
起こした拙は、2012年のアクション映画『TEZZ』の
中から哀愁のメロディー「Tere Bina」を。

https://www.youtube.com/watch?v=b61PBSjvx7o&feature=youtube_gdata_player

おばちゃん、見事カンペキに歌いきった。
…降参です。m(_ _)m

※写真は『1942 A LOVE STORY』DVDジャケット。
主演:アニル・カプール、マニーシャ・コイララ。
インド独立前夜のヒマラヤ中腹の町を舞台に描く
愛の名作。

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