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2013年10月

時代の法輪

転法輪祭
転法輪祭
転法輪祭
去る10月13日、関東某所にて在日インド仏教徒
主催による毎年恒例のイヴェント、
『57th Dhamma Chakra Pravartan (転法輪祭)』
が開催された。1956年10月14日、独立インドの
初代法相ビームラーオ・アンベードカル博士が、
数十万の民衆と共にヒンドゥー教の呪縛を捨て
仏教に改宗した「人間解放」を記念する式典。
だが今年は、仏教の根本聖地:ブッダガヤーが
爆弾テロの標的となった事実を受け、例年より
“原点回帰”の色を濃くした内容となった。
まず最初にパーリ勤行、婦人会メンバーの聖歌
奉唱はいつも通りであったが、続く基礎仏教学
講座では最もベーシックな「四聖諦」「八正道」
について、改めて現実に即した視点から再確認
された(すべて仏教徒による自主企画と構成)。
終盤、拙の法話もその流れに従った。
(以下は抜粋抄出。原語はヒンディーと英語)

今年は私達にとって、世界中の仏教徒にとって、
いや、良心あるあらゆる人々にとって、悲しく、
そして恐ろしい事件が起きた。
Budhgaya Maha-Bodhi Vihar Plastic Blast。
7月7日の早朝、僧侶二名を含む五人が負傷した。
誰がやった?イスラム過激派?ヒンドゥー至上
主義者?マオイスト武装革命集団?
誰がやったにせよ私達が取るべき姿勢はたった
一つだ。なんだと思う?
<会場の声…「マイトリー・カルナー(慈悲)」>
そうだ。正解。 <笑い>
ミャンマーには「ビルマのビンラーディン」と
渾名された仏教僧がいて少数派イスラム教徒を
苦しめているという。彼は、不正解。
宗教紛争では必ず双方が互いを「悪魔め!」と
罵り合う。悪魔と悪魔の争いだ。神仏がいない。
では悪魔とはなんだ?エゴのことだろう。
ゴータマがブッダとなる直前、それを邪魔した
悪魔はパーピヤス。そいつは言った。
「悟るなんてやめてしまえ。自分のことだけを
考えれていればいいのだよゴータマ」
これは、王子ゴータマのエゴだったと私は思う。
そしてエゴを滅ぼし、ブッダとなった。
<「アナートマ(無我)」>
そう。その場所が、ブッダガヤーだったんだ。
パキスタンの少女マララ・ユースフザイさんは
こう言った。「一人の教師、一冊の本、一本の
ペンで世界は変えられるのです」と。
これはまた、良心を教師とせよ、という意味で
もあったと思う。
ブッダガヤーの爆弾テロを企てた者、実行した
者は、エゴの悪魔を教師にしてしまった。
だから私達仏教徒にとっては、ブッダの21世紀
の転法輪だったんだよ。

Namo Buddha.  Jay Bhim.

【写真上】転法輪記念祭会場プロジェクターに
映し出された式典テーマ。
【中】仏教徒の少女。ちっちゃなお姫様。
【下】インド仏教徒婦人会による聖歌奉唱。

『アンベードカル国際教育協会日本支部HP』
http://www.baiae.org/

祈憶(きおく)

祈憶(きおく)
祈憶(きおく)
祈憶(きおく)
「祈る」とは、「憶(おぼ)えておく」こと。
東日本大震災による津波で気仙沼市鹿折地区に
打ち上げられていた大型漁船第18共徳丸の解体
作業が、去る9月9日から行われている。
また42人が犠牲になった南三陸町防災対策庁舎
の解体も決定された。
震災を思い出して辛いという地域住民の方々の
声、今後の補修・保存に掛かる費用を考えれば、
土地にいない者がとやかく言えることではない。
むしろ問うべきは、被災当事者でない者が嫌な
ことは忘れようとしているかの如き、今の冷酷さ
ではないだろうか。
己の快感の為だけに光を探し、ただ不快感から
逃れる為だけに闇から目をそらす。
「自分は何もできないから」
そう言った直後にヘラヘラ笑って話題を変えら
れるその“強さ”があれば、何かできるはずだ。

「悼み」は、「傷み」に通じる。
ゆえに追悼は傷みと向き合うこと、他者の傷み
に寄り添うことから始まる。
それはまた記憶すること、記憶を共有すること
でもあろう。

古今東西のあらゆる宗教は記憶から発生した。
畢竟、仏典も聖書もクルァーンも、言っている
ことはただこの一点…、
「ブッダを、神を、思い出せ。そして記憶せよ」
或いは親鸞門弟:唯円(『歎異抄』編者)の、
「先師の口伝の真信に異なるを歎き」
これらはみな記憶に傷む思いから発しているの
ではないだろうか。

「祈り」は、また「意の理」でもあるはずだ。

【写真上】大震災の年の6月、気仙沼の被災地を
訪ね、共徳丸を読経供養する佐々井秀嶺師。
【中】インド中南ナグプール市郊外に佐々井師が
建立した東日本大震災慰霊碑。
【下】慰霊碑の前で佐々井師から大震災の説明を
受け、涙を流すインド仏教徒。

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