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『反骨のブッダ』

  • 高山龍智: 『反骨のブッダ』インドによみがえる本来の仏教(コスモトゥーワン出版)

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静かなる聖地

静かなる聖地
静かなる聖地
静かなる聖地
インドの首都ニューデリーの一角に忘れられた
仏教聖地がある。
『国立アンベードカル博士記念館』
Dr. AMBEDKAR NATIONAL MEMORIAL
(26 Alipur road, Delhi 110054)
独立政府初代法務大臣にして現行インド憲法の
起草者、そして人間解放と仏教復興運動の先達、
ビーム・ラーオ・アンベードカル博士が起居し
た法相公邸跡であり、博士入滅の地である。
今日に至るまで歴代の宰相は必ずここを訪れて
博士の偉業と功績を讃え、こうべを垂れて祈る。
また畢生の大著にして現代インド仏教の聖典、
『BUDDHA AND HIS DHAMMA』
(邦題「ブッダとそのダンマ」山際素男氏訳)
が書かれたのも、ここだ。
すなわち“第二のブッダガヤー”とも呼ぶべき、
仏教聖地なのである。

とはいえ、デリー都民や外国人観光客にとって
いわゆる「建国の父」といえばM.K.ガンディー
がアイコンであり、そのガンディーとカースト
制廃止問題について対立した被抑圧階級出身の
アンベードカルは、いわばインドの“陽の部分”
から外されたに等しい二十世紀の巨人。
果たして日本を含む他の仏教国からの仏跡参拝
旅行者にこの地の存在を知る者がどれほどいる

のか、極めて心許ない。
「The Untold Truth (語られざる真実)」
まさに、その伝記映画に付された副題のとおり
であろう。

拙が参詣した際も、平日ということもあってか
門番以外には誰一人いなかった。
博士が生前、虐げられし同胞のため熱弁と健筆
を奮い、あるいは夫人や側近と歓談しただろう
公邸跡の一部には、今や国立記念館であるにも
関わらず、電源が切れている部屋さえあった。
これが観光地化した仏教遺跡ならば、しつこい
物売りやら土産物屋で賑わっているところだ。
幸いなる哉、そんな喧騒とは無縁。
考えようによっては聖地らしい聖地と云えるか。
そもそも、インド各地にある釈尊ゆかりの仏教
遺跡は、英国人カニンガムによって発掘される
までほとんどが砂に埋もれていたのだ。

アンベードカル博士は言った。
「仏教書を読むことが仏教ではない」
彼は、挫折と苦悩を繰り返す一個の人間として
濁世を生き抜き、ブッダの智恵と慈悲で、国を、
世界を、変えようとしたのである。

※ボリウッド映画『Dr. Babasaheb Ambedkar』
(アンベードカル博士の生涯)名場面。
「私は、ヒンドゥー教のもとに生を受けたが、
皆さんに御覧に入れる!ヒンドゥー教徒のまま
では死なないことを!」。仏教復興宣言。

https://www.youtube.com/watch?v=Zt0KZT2qyqo&feature=youtube_gdata_player

【写真上】国立アンベードカル博士記念館入口。
【中】エントランス・ホール。
【下】アンベードカル博士の直筆サイン。
「Bhim Rao」

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