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必生復活 (前編)

必生復活(前編)
必生復活(前編)
必生復活(前編)
2014年8月30日土曜。
現代インド仏教の最高指導者:佐々井秀嶺師は
八十歳(満79)の誕生日を迎えた。
「マール・ガヤー、ワーパス・アーヤー!」
(死んだけど帰ってきたぞ)
その日はまさに『奇跡の復活祭』となった。

遡る7月某日インド仏教徒から連絡あり。
「バンテー・ジー、バホト・カラーブ・ヘイ」
佐々井師入院、危篤状態。
やがて哀しい哉、万里の隔たりに種々の情報が
錯綜する中、拙は自分の目と耳で確認するまで
一切の発信を控えることに決めた。

例年どおり佐々井師の誕生会に合わせて渡印。
8月26日、南天龍宮城:ナグプールに到着。
「お前どこをほっつき歩いとった?」
佐々井師の開口一番。その声は力無く、眼光も
覇気に乏しく、話しながら時折あらぬ方へ視線
が泳いだ。無理もない。わずか半月前に生死の
境を彷徨った人だ。日本仏教界を代表する立場
の高僧からお預かりした見舞い状を代読すると
何度も深く頷いた…。

ところがこの後、日を追うごとに明らかな快方
へと向かって行き、拙は仏典に云う「奇瑞」を
目の当たりにしたのである。
それはまた佐々井師流に云えば「ナーガ(蛇神)
の脱皮」か。
毎朝勤行を終えて部屋へ挨拶に行くたび言葉と
まなこに『必生』の気迫が蘇っていく。
そして、誕生日前夜には完全に獅子吼と龍眼を
取り戻していた。打ち合わせを兼ねて雑談した
時には、以前と変わらぬ毒舌まで飛び出した。
「お前が死んだ夢を見たぞ、がっはっは!」

※公式《佐々井秀嶺師より日本の皆様へ》
 私儀先般来四大不調にて医療を受ける毎日
 でしたが今は既に退院し仏教復興の大道に
 再び立つことが出来ましたこと是まさに仏
 天の冥裕そして他ならぬ日本の皆様方の御
 祈念による賜り物であると沙門秀嶺心より
 深く感謝申上げる次第です。誠に誠に有り
 難う御座いました。合掌九拝。

誕生会は本人への体力的負担を考慮して規模を
最小限とし、その代わりインド全国放送の仏教
チャンネル『Lord Buddha TV』の実況取材に応
じることになった。
そこで佐々井師はマイクを前に「忿怒の明王」
と化す。〔後編に続く〕

【写真上】ごく親しい仏教徒達に囲まれ満面の
笑顔を見せる佐々井秀嶺師。
【中】バースデー・ケーキの蝋燭を吹き消した
まさにその瞬間!
【下】インド被抑圧階級の家に祀られた日本人
ササイ・ジー(壮年期の肖像)。

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