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2015年9月

天竺のバルツデイ

天竺のバルツデイ
天竺のバルツデイ
天竺のバルツデイ
「♪ ハッピ・バルツデイ・トー・ユー」
(Happy birthday to you)
独特なインド訛りのバースデーソングが寺の本堂にこだまする。去る8月30日、マハーラーシュトラ州ナグプール市の下町。この日は、アーリア・ナーガールジュンこと佐々井秀嶺師81歳(インドは数え年なので満80)の誕生日。本堂内は各地から祝いに馳せ参じた善男善女で埋め尽くされ、ひと目、そして少しでも近くから佐々井師の姿を拝もうと、みな身を乗り出して手を合わせている。
仏教発祥の国インドで地元民衆から「ダンマ・グル(法の大師)」と仰がれ、愛され、親しまれる〈元〉日本人:佐々井秀嶺師。その素顔を知る者は、他でもないインドの最下層民衆である。すすんで自分達と同じ水を飲み、同じ物を食べ、同じ地平に座り、泣き笑いを共にするササイ・ジーは、彼らにとって、いうなれば「頼りになる近所の和尚さん」であり、また何よりも、数千年の長きに渡りヒンドゥー教のカースト制度下で人類と見做されて来なかった人々にとっては、まさしく生身(しょうじん)の菩薩なのである。
そして、それに加えて昨年は、本人の体調不良により誕生会も非公開で行われたため、仏教徒民衆にとっては二年ぶりの、待ちに待った祝典であった。或る母娘連れが満面の笑顔で云う。
「この子は勉強が出来ないのでバンテー・ジー(上人様)に頭を撫でてもらおうと」
もちろん冗談半分だろうが、その瞳は崇敬と信愛で眩しいほど輝いていた。

実はこの前日、私は仏教会幹部と共に、面倒臭がる佐々井師を無理やり病院へ連れて行ったのだった。わずか一年前に生死の境を彷徨った老僧の体、しかも今年6月には日本で超過密スケジュールをこなしている。念には念を入れるのが当然のこと。
「そんなに心配ならお前が入院しろ!」

と、いつも通りの調子。検査の結果は、一日だけでも静養を、と。さすがドクタルは師の気性を分かってらっしゃる。その日の夜には、寺へ帰ってきた。

30日の朝、勤行を終えて佐々井師の居室へ伺い、三礼のあと誕生日の祝いを申し上げると呵々大笑、
「これでまた、しゃれこうべに一歩近付いたな!わっはっは」
私は、その笑顔を見た瞬間、昨年の危篤騒動以来の思いが一気に溢れ出し、不覚の涙を流してしまった。
「なんでお前が泣くんだよ?しょうがないな、あとでバースデーケーキの残りをやるから」
…また泣けた。

【写真上】佐々井師誕生会の告知ポスター。
【中】本堂を埋め尽くした大群衆。
【下】仏教徒にもみくちゃにされてお祝いされる
ササイ・ジー。
※佐々井秀嶺師誕生会2015スライドショー

https://youtu.be/3ekjPE0sbUQ
※ツイッターまとめ
http://togetter.com/li/867663

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