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挑戦者たち

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去る2月18日インド各地でここ数年では最大規模の学生運動が起きた。
直接の理由は遡る13日、首都ニューデリーの名門校ジャワハルラル・ネルー大学(J.N.U.)で学生自治会長を努める青年カンハイヤ・クマール氏が「反国家的扇動をした」として警察に身柄拘束されたことへの学友達の抗議。しかしインドは昨年来、急進的ナショナリズムを宣揚する現モディ政権に異を唱えた芸術家や文化人による国家賞返上運動、人気俳優アーミル・カーン氏の「Intolerance India」発言に対する保守派からの猛烈なバッシング、明けて今年1月17日、仏教徒の大学生ロヒート・ヴェムラ氏がカースト差別により自殺に追い込まれた件など、圧倒的多数派のヒンドゥー教徒によるマイノリティ抑圧への怒りが、人々の心の底で燃えたぎっていたのだ。
これを日本の皆様に伝わりやすく云うなら、
「お釈迦さまの国インドでは今、仏教徒が〈非国民〉呼ばわりされている」
のである。
それでは実際、カンハイヤ青年は何を語ったのか。逮捕直前に彼がおこなったキャンパスでの演説を以下に翻訳・抄出しよう。
《source》

http://m.firstpost.com/india/full-text-and-video-of-jnusu-president-kanhaya-kumars-speech-nothing-seditious-here-2628934.html

私たちは、極右ヒンドゥー教団体から愛国心の証明書をもらいたいとは思いません。民族主義者からのお墨付きなど必要ありません。私たちはこの国に属し、土壌を愛しています。そして、インド人口の80パーセントにあたる貧困層のために闘います。これが私たちの愛国心です。私たちはアンベードカル博士の示した道を完全に信じています。私たちは博士の起草したインド国憲法を遵守します。アンベードカル博士はカースト差別を法的に禁じ、表現の自由について語り、私たちの基本的権利を保障してくれました。ところが現在は、ヒンドゥー教至上主義者が権力とメディアの助けを借りて、この大切な事実を希釈・矮小化している。これは国の恥です。
私たちは、国を愛するヒンドゥー教徒に問いたい。あなた方は、この国を血で染めたいのですか?かつてはインド独立のため英国に向けていた怒りの火を、今あなた方は国内のイスラム教徒に向けている。また、古めかしい神話と因習に基いて、女性たちへの差別を温存助長している。この国では学生、店員、労働者、農民、すべての人間が平等です。民主主義国家なのです。すべてが平等な権利を持っているのです。私たちが女性のエンパワーメントについて話すとき、あなた方は「インドの伝統文化を台無しにしている」と言いますが、私たちは搾取の文化、人種差別の文化、カースト文化を台無しにしたいのです。
私たちがビームラーオ・アンベードカルの名を口にする時、極右ヒンドゥー教至上主義者の胃は痛み始める。彼らは英国植民地支配の手先だった。つまりインドの裏切り者が、今度は愛国心のお墨付きを出そうと言うのです。…「母なるインドに万歳」だって?オレのオフクロは労働者だよ。
私が唱えるのは人間平等を説いた先人たちの名、そして「アンベードカル万歳」。私は労働者と少数部族、農民に敬礼し、全インドの母親や姉妹、女性たちに敬礼します。さあ、あなたが勇気を持っているなら、あなた自身が、今年のアンベードカル博士生誕125年記念を意味あるものにするのです。そして、博士が投げ掛けた〈問い〉に対する答えを、あなた自身が始めるのです。この国の問題は差別です。インドに差別がある限り、マス・メディアも信用できません。

アンベードカル博士が描いた理想の上にこの国は成り立ってるんですよ。先月自殺したロヒート・ヴェムラ君の思いを無駄にしてはいけない。私たちは、人類の平等に反対する者どもの正体を、すでに見切っている。私たちは本当の民主主義、本当の自由、みんなの国のあるべき姿とは何かを、証明したいと思っています。
カースト制度のもとでは被抑圧階級がヒンドゥー教の神殿に入ることは許されませんでした。或いは英国人がインドを支配していたとき、犬とインド人はレストランに入れませんでした。しかし当時はそれが「正義」だった。私たちの父祖はその「正義」に挑戦した。私たちは今、ヒンドゥー教至上主義に挑戦する。彼らの正義は私たちの正義ではない。私たちの正義は、アンベードカル博士が起草した憲法上に保障されている権利を、みんなが等しく取得することなのです。
そして、私たちネルー大学の学生自治会は、どのような場合においても暴力、テロ、また反国家的活動をサポートするものではありません。

《補記》カンハイヤ氏の身柄拘束は、彼とは別の過激派社会主義学生集団への見せしめ、あるいは誤認逮捕の可能性を指摘する声もある。

【写真上】仏教復興の父:アンベードカル博士と
インドの国章アショーカ王獅子像。
【中】逮捕連行されるカンハイヤ自治会長。
【下】アンベードカル博士の肖像画を胸に掲げて
抗議のデモ行進をする仏教徒学生ら。

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