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阿育王伝説

阿育王伝説
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阿育王伝説
去る10月14日、関東某所にて在日インド仏教徒の団体「B.A.I.A.E.」(アンベードカル博士国際教育協会)による『転法輪祭 (DHAMMA CHAKRA PRAVARTIN)』が開催された。
例年の行事ながら、今年は初夏にNHKの取材を受けたこともあり…その模様の一部は10月22日(日)Eテレ『こころの時代』05:00~06:00にて放送予定…彼らにとってとりわけ喜びに溢れた祭典となった。
云うまでもなく彼らは祖国インドにおいてはDalit=被抑圧階級であり、インドのTVで取り上げられる時は、殆どの場合、社会問題を扱う類いの番組に於いて、意味保留のカギッカッコ付きで紹介される。そういう彼らを、まったく同じ人間として真摯に取材してくださったNHKには、心からの感謝を申し上げたいと思う。
さて、転法輪祭の終盤、登壇した私は彼らにこう語った。(原語はヒンディー)

    如来等正覚、ならびに菩薩聖者アンベードカル博士に帰依し奉る。
善女人善男子の皆さん。本日10月14日は私たちにとって、現代インド仏教復活の記念日であり、それはまた、かつてインドを仏教国たらしめたアショーカ王が「法による統治」を宣言した日であると云われています。しかし、これは私たち仏教徒のためだけの記念日ではありません。全世界、全人類のための自由と平和の記念日であります。
今から2400年ほど前、ひとりの大王がいました。彼はその冷酷さと残虐性によって、世の人々からこのように渾名されていました。カーラ・アショーカ(暗黒の阿育)。
こんな伝説があります。
凄惨を極めたカリンガ国殲滅戦に勝利し、老人や女子供まで虐殺したアショーカ王は、血刀を手に馬上から、大満足の顔で、いくさのあとを眺めていました。
「朕は勝った。全インドは我が物となった」
そこへ、ひとりの比丘がやって来て言いました。
「大王よ、お願いがございます。望みを叶えていただけるでしょうか?」
「苦しゅうない。朕は今や〈王中の王〉となった。何なりと叶えて遣わす。申せ」
比丘は袈裟の下から赤ん坊の死体を取り出して見せました。
「大王よ、この赤子は軍馬の蹄にかけられて亡くなりました。大王の軍です。せめてこの子の命だけ返してくださいませ」
「何と?!痴れたか、比丘よ。そのようなこと出来るわけがない、朕を愚弄するとあればその首、この場で叩き斬るぞ!」
「大王よ、貴方はこれほどたくさんの命を奪うことが出来た。なのに、この小さな命たった一つさえも返してくださらないのですか?それが、貴方が手に入れた〈王中の王〉のちからなのですか?」
この出来事をきっかけに、アショーカ王は武力統治の方針を改め、法による統治を宣言したとも云われています。カーラ・アショーカ(暗黒の阿育)が、ダルマ・アショーカ(白法の阿育)に変わったんですね。暗黒か、白法か。戦争か、叡智か。
善女人善男子の皆さん、考えてみてください。
現在の世界を御覧ください。北朝鮮、トランプのアメリカ、あれは暗黒の王国でしょう。あるいはミャンマーの仏教徒がロヒンギャ族を虐殺している。あれは断じて白法ではない。
暴力は、何ひとつ生み出さないんです。

《※お知らせ》
NHK Eテレ『こころの時代』「インドの大地に再び仏教を」出演:佐々井秀嶺ほか。本放送 10月22日(日)朝5時~6時、再放送10月28日(土)昼1時~2時

http://www4.nhk.or.jp/kokoro/x/2017-10-22/31/21932/2008286/

【写真上と下】転法輪祭の模様
【中】今年7月来日時の佐々井秀嶺師と

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